◆1998年6月第2週のぶりてんコラム◆




6月13日号 NO.156
『ニューヨーカーへの道』〜学校へ行こー7〜
大学編の続きになります。
大学に入る際に、専攻を決める問題というのがありますね。
それは、日本もアメリカも同じです。ただ、アメリカの場合は、専攻を決め ずにとりあえず入っちゃうということも可能です。
日本人の専攻でポピュラーなものは、経済、ビジネス、サイコロジー、アー トなどになります。
ニューヨークの日本人大学生業界にはひとつの謎がありまして、それは何か と申しますと、「サイコロジーを専攻する日本人女性が多いのは何故だろう か」というものであります。
特に、サイコロジー専攻の日本人女性の中には、以前日本で働いていたこと のある方が多いようです。
これは、一体何故なのでしょうか。
物質的には満足している自分。でも、心は満たされていない。そこを追究し ようとしているのですかね。
それとも、「理論的な占い」のような感じで、興味先行の結果なのでしょう か。
確かにサイコロジーを学ぶのであれば、アメリカがいいかもしれません。日 本に比べると、まだこちらのほうがフツーの人でも気軽に学べる学問という 雰囲気があります。
社会におけるセラピストやカウンセラーの浸透度もこちらのほうが断然ある わけですし、要するにサイコロジー自体がすぐ手の届くところに存在してい るのです。
ただですね、日本人がサイコロジーを専攻するのはいいのですが、それをど うやって就職に結び付けるか、という問題があります。
アメリカでは、ほとんど仕事はないでしょう。
日本の場合、最近セラピストやカウンセラーが少しずつ浸透してきていると はいえ、雇用の場としてはまだまだ貧弱なのであります。
つまり、現在の状況では、「サイコロジー専攻の日本人学生=供給」と「仕 事の場=需要」のバランスがうまくとれてないのですね。
困ったものです。
「日本にも、もっと多くのセラピストやカウンセラーが必要だわ」という意 見に関しては、そんなに異論はないと思うのですが、実際「働きたいです」 という人がいるのにもかかわらず、それを受け入れる雇用が創り出されてな いのが現実の姿なのであります。
おそらくこれは、時代との競争になります。時代の、セラピストやカウンセ ラーを求めるスピードがグングン上がってくれれば、セラピスト&カウンセ ラー予備軍としてのサイコロジー専攻の日本人留学生ための職もポコポコ産 まれてくるはずです。
したがって、時代のスピードを私たちが上げることができれば、彼らに職を 提供することができるのですね。
では、どうやってそれを上げるか。
・・・・・・・・・。
それがわからんから困るのよね。
                        徹



6月11日号 NO.155
『たわごとコラム』
MOMAの前図書館情報である。
MOMA(近代美術館)の前、正確には53丁目の5と6の間にある図書館の3 階には日本語の本が山ほど置いてある。
それらの本の購入を私が担当しているわけだが、この夏も3千ドル分の日本 語の本を買うことになったのである。
ちなみに、去年、図書館側が日本語の図書の購入に使った予算は、約4千ド ル。それが今年は1万ドルになったのだ。
理由は簡単。日本語の本を借りる人が増えたからである。
現在、英語以外の本において、借りる人の数ではロシア語が1位。2位が中 国語。日本語は3位につけている。
それにしても、日本語の本の購入のために1万ドル使ってしまうニューヨー クの懐の深さである。
東京の図書館では、そこに住むパキスタン人のためにどれくらいの本を毎年 購入しているのだろう。おそらく皆無ではないだろうか。
そのあたりに多民族主義に関する基礎体力の違いが見られるのである。
というわけで、この夏に3千ドル分の本を買うことになった。
6月に千ドル、7月に千ドル、8月に千ドル、というふうに3回に分けて購 入する予定だ。
そしたら皆さん、思う存分読んでちょうだいね。みんなで借りまくって、中 国語に追い付こうでないの。
6月分の購入は、この土曜日に決行する。
お楽しみに。
                        ひろ



6月7日号 NO.154
『たわごとコラム』
いやいや、マンガは恐ろしいのである。
皆さん、ビッグ錠というマンガ家をご存知だろうか。代表作としては、「包 丁人味平」などがあり、私が中学生くらいの頃、よく読まれていたマンガ家 だ。
そのビッグ錠さんから先日お手紙をいただいた。
内容としては、ニューヨークに来る度にNutsを読むのを楽しみにしているこ と、今週から日系人会で個展をやることになったことなどが書いてあった。
実をいうと、Nuts軍団は、毎週土曜日、その日系人会でボランティアをやっ ている。昨日もそのために日系人会に行ったのだが、そこで個展の準備をし ていたビッグ錠さんと偶然お会いしたのである。
手紙のお礼をして、他にもいろいろとお話しした。
その後、今回展示されるの作品を見せてもらったのだが、正直言って、非常 に良かったのである。
ニューヨークのちょっとした風景が、古新聞の上に描いてあった。
しかし、私がもっともショックを受けたのは、それらのイラストではない。
今回の作品の中に3枚だけ、ビッグ錠さんのニューヨーク生活を描いたマン ガがあったのである。
それを見た時、私は戦慄を覚えてしまった。
そして思ったのである。
「か、か、か、かなわんな、これは」
これまで私たちは、基本的に「文章」を使ってニューヨークを描き出そうと してきた。
しかし、今回、私はそれがマンガにはかなわないことを思い知ったのであ る。
それほど、ビッグ錠さんが描いたマンガはおもしろかった。
マンガは、絵と文を使ってある世界を作り出す。
それは、「文章のみ」よりもずーっと効果的で、メッセージ力も強い。小林 よしのりの「ゴーマニズム宣言」を初めて読んだ時、私はそのことを知った のである。
ニューヨーク生活をマンガで描かれたら、Nutsはお手上げである。文章は、 マンガにはかなわない。
てなことを考えている時に私はあることを思い付いたのである。
「敵にしたら恐いけど、味方にしたらこんなに強いものはないのう・・・」
ニューヨークで日本語による情報発信を行なう私たちが、日本の人々に対し てやりたいことは、ニューヨークの日本人の生活を分かりやすく紹介するこ とである。
ということは、別に方法にこだわる必要はない。
「ビッグ錠さんにニューヨークの日本人を描いてもらうことはできんもんか ね・・・」
早速、今週中にでもビッグ錠さんにお会いして、その辺の可能性を聞いてみ るつもりだ。当然、Nutsは彼を全面的にバックアップする。
ちなみに6月8日(月)の午後6時から8時まで、個展のオープニング・レ セプションが日系人会(15 West 44th St. 11FL.)で行なわれる。
個展は9日(火)から13日(土)の間、正午〜午後5時まで日系人会にて 開かれる予定だ。
是非とも足を運んでいただきたい。
それにしても、マンガはコワイ。Nuts軍団も急いでマンガ家を育てねばなら んのう。
                    ひろ
               

「ぶりてんNuts」編集部


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