◆1998年4月第1週のぶりてんコラム◆




4月3日号 NO.130
『たわごとコラム』
在外投票の話である。
本日4月3日、日本の衆議院公職選挙法改正特別委員会において例の在外投 票法案が可決された。これで衆議院ではケリがついたわけである。
次は参議院である。
そこでとってもインポータントなお願いがある。
以下の2議員が参議院の担当委員会での在外投票に関する議論を引っ張るこ とになる。この方々に「在外投票、よろしくね」ハガキなりFAXなりを送って いただきたいのだ。
〒100 千代田区永田町2-1-1 参議院議員会館 228号室 久世 公堯参議院議員様 (自民) FAX:03(3502)8862 JAPAN
〒100 千代田区永田町2-1-1 参議院議員会館 304号室 松村 龍二参議院議員様 (自民) FAX:03(5512)2304 JAPAN
日本にお住まいの方が上記のおふたりに「在外投票、そろそろやらせてあげ たら」FAXを送っていただいても別にかまわない。いや、ぜひともお願いし たい。
というのも、昨日、日本の方から、
「一応、私もFAXしておきました」
というEメールをいただいたのだ。
うれしくて涙、涙なのである。そして私は思った。
「あ、そういう手もあったのね」
上記のおふたりだけで十分である。文面も簡単なものでかまわない。よろし くお願い申し上げます。
できればゴールデン・ウィーク前に片づけて、ゆったりした気分で連休を迎 えたいのである。
・・・・・・でもよく考えたらアメリカにはゴールデン・ウィークなんてな いでないの。
なにはともあれ、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
                        ひろ



4月1日号 NO.129
『たわごとコラム』
インターネット上の「ぶりてんNuts」ホームページができてすでに1年以上 が経った。しかしながら、一向に情報が増えない。困ったものである。
アドバイスもいろいろいただいている。その中で最も多いのが、
「1週間で情報全部落とすっていうのを1ヵ月ぐらいに変えたらどうです か」
というものだ。
これまで私たち「ぶりてんNuts」編集部はその意見を無視し続けてきた。
「いや、いつもフレッシュな情報を提供するためには、1週間ごとに落とし 続けるべきなのよ」
私たちはそういう内容のメールをもらう度に、画面にむかってそうつぶやい ていた。
しかし、我慢もとうとう限界にきた。私たちは私たち自身が許せなくなった のよ。このバカバカバカバカ。
というわけで、この4月から情報の掲載期間の決め事を変更することにし た。毎土曜日じゃなくて、毎月末に情報を落とすことにした。つまり1週間 からいきなり最長1ヵ月の掲載が可能になるのだ。
まいったか。はっはっは。
存分に活用していただきたい。
ついでに、編集部の仕事も楽になるし、一体今まで誰が「毎週情報を落とす べきだ」なんて言ってきたのかしら。
ふふんふふんふふ〜ん(鼻歌のつもり)。
なにはともあれ、しばらく様子を見ることにしよう。
ちなみに、これまで「毎週情報を落とすべきだ」と主張してきたのは、「ぶ りてんNuts」編集長の小林くんである。私がいくら言っても「うるさい。だ まれ」って怒鳴りながら殴ったり蹴ったりしたのもみーんな小林くんだ。だ から私はかわいそうな小羊で、この件とはな〜んの関係もないのよ。
ハッピー・エイプリル・フール。
                        ひろ



3月31日号 NO.128
『NYウエイター物語』〜仕事探し9〜
次の日の朝、最初の授業が終わったあと、私は、自分が通うマンハッタンの 137丁目の丘の上にある大学から寿司政に電話した。
腕時計を見ると、ちょうど午前11時だった。
電話はすぐつながった。
「ハロー、スシマサ」
日本人男性の声だった。年の頃なら50は越えてるだろう。それは明らかに ランチの予約を入れるために電話してきた客を待つ声だった。
私はなんとなく申し訳なさそうに言った。
「あの〜、アルバイトの件で電話してるんですけど、権藤さんいらっしゃい ますでしょうか」
「ちょっと待って・・・」
その時、声の音色はすでに「お客様用」から「アルバイト応募者用」に替 わっていた。それがあまりにも見事な替わり様で、私は思わず苦笑いした。
受話器のずっと奥の方からから「店長、アルバイトの電話ですけど」という 声が聞こえ、そのまたずーっと奥の方から「こっちに回してくださーい」と 他の男性が言うのが聞こえた。
誰かが受話器を取る、「ゴト」という音がした。
「もしもし、お電話替わりました。権藤ですけど・・・」
「もしもし、あのお忙しいときにすいません。私、竹中という者ですけど、 OCSでウエイター募集の広告を見て電話したんですけど」
「あ、そうですか。じゃあ、一度店の方に来ていただけますか。今日の午後 とかどうですかね」
「今日の午後ですか。今日の午後は・・・大丈夫・・・です。じゃ、何時頃 にそちらの方に行けば・・」
「3時半頃でいいですかね」
「はい。履歴書とかは・・・」
「一応、持ってきてもらえますか。でも、今日持ってます?」
「いや、持ってないんです」
「だったらとりあえず来てもらえますか」
「履歴書なしでも・・・」
「ええ、構いません。それじゃ、今日の3時半に」
「はい。ありがとうございます。じゃあ、今日の3時半に」
「はい。じゃあ、失礼しま〜す」
「失礼します」
ガチャ。
意外だった。正直言って、すごく感じのいい人だった。
私がその時持っていた寿司屋の店長というイメージからは程遠い対応だっ た。
「これは結構いい展開なのかもしれない・・・」
そんなことを考えながら、私は次のクラスに出るためにエスカレーターに向 かって歩き始めた。
                      ひろ



3月29日号 NO.127
『たわごとコラム』
最近、留学生たちから進路についての質問をよく受ける。先週の金曜日など 一気に3件ほどきた。
質問はすべて彼らの就職に絡んでいる。
「こっちにいたいんですけど、仕事ありませんか」
「アメリカの日系企業に就職したいんですけど・・・」
「やっぱりビザがないとダメなんですよね」
「インターンしてからそのまま社員になっちゃうってケースはないんです か」
「やっぱり日本に帰ったほうがいいんでしょうか」
こういう質問を受ける時、私はいつも同じ質問をすることにしている。
「で、あなたは将来どこに行こうとしているんですか」
この場合の「行く」は、物理的な意味での「行く」ではない。それは「何を 目指しているのか」という意味の「行く」だ。
私がこの質問をするとき、すっぱり答えられる学生は少ない。いや、私の個 人的では今までひとりもいなかった。
「そんな質問、彼らに答えられるわけないじゃない」という人もいる。
私は答えられないのが悪いことだと言っているのではない。二十歳ちょっと 過ぎの人たちに答えろということ自体が無茶な話だ。
でも、私は尋ねる。
「で、あなたは将来どこに行こうとしているんですか」と。
こちらに留学している日本人学生たちは、日本の学生たち以上に自分の進路 について考えねばならない。
なぜなら、もし彼らがこちらに残るつもりなら、彼らは就職以前にこの国に 存在するためのビザの問題と戦う必要があるからだ。
その時、彼らは「自分のやりたい仕事」と「ビザが取りやすい仕事」とを天 秤にかけねばならない。この国に居続けるためには、前者よりも後者の方が 優先される場合が多い。
ここでは、ただぼんやり待つことが許されない。「どれにしようかな」など と仕事をより好みしている時間は彼らにはない。ビザが切れれば、この国で 彼らは存在しないも同然なのである。
彼らはまずビジョンを持たねばならない。
そして、もし残るのであれば、彼らはこの国でいかに存在するかを考えなけ ればならない。同時に、自分にとってこの国に残ることがホントに意味のあ ることなのかを見極めねばならない。
なんでもかんでも「ねばならない」のである。
実際、二十歳そこそこで、自分の目指すものがわかるわけがなく、アメリカ に残ることが自分にとってプラスになることかどうか、見極める目が持てる わけでもない。
それが日本では普通だ。
でも、なにがどうであるにしろ、彼らはいつも考えねばならない。
自分がどこに行こうとしているのか。
これからも私は彼らに尋ねる。答えられないことを知りながら私は尋ねる。
「で、あなたは将来どこに行こうとしているんですか」と。
私にできるのは、彼らに問うこと、それのみなのだから。
                       ひろ

「ぶりてんNuts」編集部


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