◆97年11月第1週のぶりてんコラム◆
11月8日号 NO.25
最近、ニューヨークの日本語ミニコミの数が急激に減りました。
ここ2、3年は、ある意味で日本語ミニコミの黄金時代でした。5、6紙は
あったと思います。そんなことは、これまでのNYJJ(ニューヨーク在住日本
国籍日本人)の歴史上、なかったはずです。
これらのミニコミを始めた大半は、若い世代のNYJJ、つまり、学生たちでし
た。それは、ニューヨークの日本人留学生の増加がピークを迎えた際のひと
つの現象だったと私は思います。
ミニコミの数は、そこのコミュニティーの熟度を表わします。正確に言いま
すと、今そのコミュニティーが成長のどの過程にあるかが分かるわけです。
そういう意味では、NYJJ社会はコミュニティーとしてある段階に至ったと言
えるでしょう。
しかし、問題もあります。
それは、「ミニコミ」と「コミュニティーの熟度」というのを繋げて考えら
れる日本人が意外と少ないということです。特に、そういう日本語媒体に広
告を出すスポンサーたちにその傾向が強く見られます。
コミュニティーをまとめるためには、まず情報媒体が必要です。それによっ
て、コミュニティーの一体感を作りだします。
また、ビジネスの観点から言えば、コミュニティーがまとまることによって、
その中で金をグルグル回しながら力をつけることができます。
この方法は、ここの中国人や韓国人が多用します。まず初めに自分たちの中
で金を回す方法を確立します。「モノを買うなら同じナニナニ人から」「こ
のサービスなら同じナニナニ人に頼みましょう」てな具合に、とりあえず金
の回しっこをやるのです。
そうやってある程度の力をつけたら、今度はそのコミュニティーの外に攻め
出します。それが、ここニューヨークでの基本的な「マイノリティーのサバ
イバル法」です。
話を戻しますと、NYJJがビジネス的に力をつけるためにも、コミュニティー
はまとまってた方がいいのです。そのためには、できるだけ多くの日本語情
報媒体が必要で、ビジネス側もそれらの媒体を「サポート(広告を出す)」
すべきなのですが、その「媒体とコミュニティーの熱い関係」が分かる人
が、非常に少ないのが現実です。
で、最近、日本語ミニコミが減りつつある・・・・
これは、一般の読者や日本人ビジネス、そして、NYJJコミュニティーにとっ
て、おいしいことではありません。
みんなでミニコミをサポートしましょう。
それは、結果的にNYJJコミュニティー全体をサポートすることになるので
す。
徹
11月7日号 NO.24
先日、知り合いからインターネットに関するお悩みメールをもらった。
内容は、
「私の友人が、インターネット上で一般向けに書いてることと、現実の姿と
のギャップのせいで、人間不信に陥ってます。」
というものだった。
つまり、その友人は、インターネット上では、かなり偉そうなことを書いて
いるが、実際の姿は、まったくみっともないもので、要するに「歩く言行不
一致」なのである。そういう友人を見ていると、他のインターネットを通し
て出会う人たちも、みんな「歩く言行不一致」に思えて、なんとなく人間不
信になってしまうということらしい。
そのメールに対して、私はこんな返事を書いた。
「お気持ちよく分かります。私も最初はそうでした。でも、ある真理を悟っ
てから、ひじょーに楽になりました。その真理とは、”インターネットは虚
構の世界よ”ということです。サイバーワールドには、ウソがいっぱいつ
まってます。ですから、あなたも”まあ、たまにホントのことに出会えたら
モウケね”てな感じでインターネットと付き合っていかれたらどうでしょう
か。ちなみに、私は、実を言うと、青い目をしたアイルランド人です。」
インターネット上では、別の人格を持つ人、別の人間になりすます人が、意
外と多い。そこらへんに「歩く言行不一致」が歩いているのである。
これを「いいんでないの」と取るか「いけないわ」と取るかは、基本的には
個人の勝手だ。
ただ、その虚構性を見切る目は必要である。
あなたは、「歩く言行不一致」ですか。それとも「歩く言行一致」ですか。
ほお〜、「歩く言行一致」ですか。でも、それもウソじゃないんですか。
え? 私ですか? 私はもちろん「歩く言行一致」ですよ。
ハッハッハ・・・・・・・
インターネットの虚構の闇は、ただただ深くなるのみであった。
風
11月6日号 NO.23
先日、ある人にこんなことを言われました。
「NYJJ(ニューヨーク在住日本国籍日本人)っていう名前をつけるのはいい
けど、やっぱり”文化”っていうのも、ともなわないとね。」
私もまったくその通りだと思います。
NYJJと名乗るのであれば、それ独自の文化が必要です。
「いやいや、そんなら早いとこ作らんとね」という話になるのですが、実を
言いますと、すでにそういう動き、つまり、ニューヨークに住む日本人の文
化作りに貢献する動きというのが、あちらこちらで見られるのです。
その中で私がもっとも期待するのは、「紀伊國屋書店」と「カフェ・一茶」
です。この2つは、今、ニューヨークに住む日本人のための「空間」を作ろ
うとしています。
前者は、店内にカフェもありますし、本の著者などによる講演会も積極的に
開催しています。
後者に関しては、そのオーナーの方とお話しした時に、「日本人が集まる場
を提供したい」という主旨のことを言われてました。
書店や喫茶店の「空間」というのは、「文化」に直結します。そのことは、
歴史が証明してます。これまで多くの書店や喫茶店が、その時代の文化の発
信地となりました。
逆に言うと、「文化」が発生するためには、「空間」が必要なのです。
私は、「書店」にしても「喫茶店」にしても、それはひとつの「文化」であ
るべきだと考えています。そこに行くと、空気に心地よい重みを感じる。
「紀伊國屋書店」と「カフェ・一茶」にも、現在の「空間」作りをそこまで
昇華させてほしいと思います。
そういう動きは、ここの日本人社会にとって、プラスになることはあっても
マイナスになることはありません。がんばっていただきたいものです。
そのうち、この両者に続く「文化的空間作り」のビジネスが出てくるでしょ
う。
そういう「空間」が、あちこちに出てきた時に、「NYJJの文化」みたいなも
のがカタチ作られると思います。
さて、10年ほど待ちましょうか。
徹
11月5日号 NO.22
「日本人女性」パート2である。
私の友人の中にこちらの大学で映画学を教えている日本人女性がいる。
その彼女が先日、授業の中で「Shall We ダンス?」を上映した。
映画のあと、彼女が学生たちにその感想を聞いたところ、彼らにとってもっ
とも印象に残ったキャラクターは、役所っちでも、草刈っちでも、竹中っち
でもなく、根性の悪いおばさん役の渡辺っちだったという。
その理由は、「ああいう日本人女性を今まで見たことがない」というもの
だった。
そう言われてみればそうである。こちらで上映される日本映画の中に出て来
くる女性というのは、いつもおとなしくて、おしとやか、なのである。
日本のオバサンたちの実態を知っている私たちにとっては、渡辺っちなど
は、「あんなの、フツーのオバサンじゃん」ってことになるのだが、日本人
のイメージをこれまでの日本映画の中のキャラクターによって作り上げた彼
らには、かなりの驚きだったのだろう。
ただ、中には、そのへんの「日本人女性の怖さ」がよく分かってるアメリカ
人もいて、先日、いつも日本人のかみさんにイジメられている友達のアメリ
カ人男性に、この渡辺っちが演じたキャラクターの話をしたところ、
「・・・・いる・・・・日本人女性の中にああいうタイプは絶対にい
る・・・・それもかなり近くに・・・・」
としみじみと話していた。
強くなりすぎたアメリカ人女性。そして、それをキャッチ・アップする日本
人女性。男にしてみれば、「前門のトラ、後門のオオカミ」といったところ
だろうか。
どちらにも逃げられなくなった男たちが、その場にいた仲間を愛し始め
る・・・・。
ゲイの男性が増えるのもなんとなく分かる気がするが、まあ、しゃーないわ
な。
ひろ
11月4日号 NO.21
先日、ジムに行ったかみさんが、プンプンしながら帰ってきた。なにやらジ
ムで日本人の女の子と口論になったらしい。
「最近の日本人の若い子って、ナマイキよね。ったく、口答えするんだか
ら」
エクササイズの場所の取り合いで、「私が先に来たんだから私のものよ」
「でも、予約を入れてたのは私よ」というケンカになったという。
かみさんに言わせると、「日本人の女の子は、みんなおとなしく、ウフフフ
と笑ってるばかりだと思ってたのに、いきなりケンカ売ってきやがるから、
こっちもビビっちまったぜ」ということだった。
要するに、多くのアメリカ人が持つ「日本人女性は静かでおとなしくて
キュートよ」というイメージをうちのかみさんも持っていたのである。
で、そのイメージに見事に逆らった大和撫子が突然現われたもんだから、
ビックリするわ、腹は立つわ、の状態に陥ってしまったのである。
この国には、こういうアホな人間が意外と多い。未だに「日本人女性は静か
でおとなしくてキュートよ」と真剣に考えてる人間が山ほどいるのである。
確かにそういう日本人女性もいる。ただ、そういう見方をされてる間は、日
本人女性は、アメリカ人にナメられてると考えたほうがいい。
今回、うちのかみさんが必要以上にプンプンしたのは、ナメてた人間に急に
噛みつかれたからだ。
日本人女性の皆さん、こういうアホなアメリカ人ともっともっとケンカしま
しょう。できれば、その言葉に「F」Wordが入ったりなんかしたら最高であ
る。
アメリカ人はあなたたちをナメている。
そろそろ思い知らせてやるときなのだ。
ただ、イースト・ビレッジのジムに現われる、ヒスパニック系の目つきのス
ルドいアメリカ人女性の右フックには気をつけていただきたい。
こいつは、腰の入ったパンチを撃つからね。
ひろ
11月3日号 NO.20
恐れいりますが、あなたは食パンにシメサバをはさんで食べたことがありま
すか。もし、食べたことがないのなら、それが一体どんな味がするか想像つ
きますか。
それは、ある晴れた日の昼下がりの出来事だった。
私は、行き着けのベーグル屋に昼メシを買いに行った。
「さて、今日は何をはさんでもらいましょうかねえ・・・」
などと考えながら、私はそこのメニューをながめていた。
「チョップト・ヘリング? ミンチ状にしたニシンということか。う〜ん、
ベーグルとニシン。なかなか大胆な組み合わせではないかね。よ〜し、今日
はこれで行くか」
私は、普通のベーグルにその「チョップト・ヘリング」とトマト&レタスを
はさんだものをオーダーした。
「それ」はなんとも奇妙な色をしていた。強いて言うならネズミ色。食べ物
としては、許せない色であった。
とりあえず、私はその「チョップト・ヘリング」入りベーグルに食らいつい
た。
「・・・・そんなに悪くはないなあ」
そして、二口目。
「・・・・なんか臭うなあ」
で、三口目。
「くせ〜!! 死ぬほどくせ〜!! なんじゃ、こりゃ!!」
それは、酢でシメて、砂糖と塩を加えたような味だった。ただ、やたらと魚
臭く、またベーグルとのコンビネーションが私のココロを乱れさせていた。
「こ、こ、こ、こんなもん食うヤツがおるんか?!」
それは、まさに「シメサバのサンドイッチ」であった。
「ぬお〜、失敗じゃー。でも、もったいないから、とりあえず食べよ」
貧乏性の私は、すべてを食い切らざるを得なかった。
あれ以来、「チョップト・ヘリング」入りベーグルにはチャレンジしていな
い。
もし何か変わった食いものにトライしてみたい人がいたら、私はこの
「チョップト・ヘリング」入りベーグルを強くおすすめする。おそらく、
この国の懐の深さを感じることだろう。
アメリカには、とてつもなくマズい食いものが存在する・・・。
風
11月2日号 NO.19
やはりこれも一種の「殺人罪」になるのでしょうか。
自分がエイズであることを知りながら17名の女性と関係を持った男性の話
が、今ニューヨークで話題になってます。
この男性、特に若いを女性を選んだらしく、被害者の中には13、4才の女
の子も含まれていました。
おそらく彼は「道連れ」を探していたのでしょう。でも、「道連れ」にされ
る方はたまったものではありません。もしかしたら、被害者の中には、「彼
が最初のヒト」という女性もいたかもしれません。
ただ、今後、この男性のような「おまえも道連れ」的犯罪は、増加する一方
だと私は思います。
普通に考えてみれば分かります。
あたなが誰かからHIVをいただいたとします。きっとくやしいでしょう。「な
んで、どうして私だけがこんな目に遭わなくっちゃならないの」と思うに違
いありません。
そういう時にあなたならどうしますか。
じっと静かにお迎えが来るのを待ちますか。それとも、冥土行きのバスを
ちょっと賑やかにするために、同乗者集めに励みますか。
私は後者を選択する方も必ずいると思います。それも”かなり”ね。
できれば旗でも振って旅仲間を集めていただければ幸いなのですが、あちら
もこちらがそんなとこ行きたくないのをよ〜くご存知ですから、こっそり
ひっそり招待してくれるのです。
そして、招待客リスト上で自分の名を見つけた人々は、今度はその人自身が
招待する方に回るというわけです。
まるでネズミ講です。
そういうふうに考えますと、今後のエイズ対策は、もちろん「人間対HIV」と
いう要素もありますが、「人間対その理性」という対戦表も重要になってく
るでしょう。
最大の敵は、私たちの中にいるのです。
私の中の敵はまだスヤスヤ眠ってます。あなたの中の敵はどうですか。
できれば、一生眠っててほしいものです。
徹
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